あわや『遭難』…渓流の怖さを知った日

あれは今から何年前のことだったろうか…
まだゴリラが『渓流の怖さ』を知らない、とある夏のことであった。

当時の我々には、朝5時から夕方6時まで、もはや耐久戦ともいえる長丁場を気合いとノリでなんとかしてしまう若さがあった。
毎週のように渓流釣りに出掛け、比較的ライトな所がメインであったため、熊に出会うとか崖からずり落ちるとか、そんな危険もなく釣りを楽しんでいた。

いま思えば、ウェーダーは着用していたものの、熊への対策もケガをした際の対処についても、「渓流の怖さ」など意識していない無謀な行動をしていたのだと反省しきりである。

『楽しい渓流釣り』から一転・・・

その日は天気もよく、ゴリラとK氏も楽しく渓流釣りを楽しんでいた。

地元の小河川であるが、これまで行ったことのない沢。

川幅は3~4m程度、最寄りの集落からは4~5キロ程度で、笹薮の目立つ沢であった。

渓相はそれなりだが釣果はイマイチで、ダラダラと時間だけが過ぎていった。
それでも、ポツリポツリと釣れていたため、モチベーションが下がることもなく釣りを続けていた。

そして日暮れも近くなった午後5時頃、我々は別行動をとる。

特に理由があったわけではない。
それぞれが笹薮に入ってはポイントで竿を出し、反応があれば粘り、反応が無ければ上流へ移動する。
ただそれだけの行動。

気づけば、お互いが上流・下流どちらにいるのか分からない状況となっていた。

とはいっても、まだ夏の5時頃。
日暮れまでは時間もあるし、まあそのうち合流するだろうとお互いが考えていた。

これが間違いであった。

上流?下流?差し迫るタイムリミット…

結局、合流することのないまま、時刻は午後6時半。

ゴリラ「これはまずいな…」

幸い、車を停めた位置からはそれほど離れておらず、とりあえず車に戻ることにした。

しかし、道中でK氏を見つけることはできなかった。
 
 
 
車に戻ったゴリラであったが、そもそもK氏が自分より上流にいるのか下流にいるのかすら分からない。
とりあえず、クラクションを鳴らしながら上流へ1キロほど林道を走るも気配はない。
逆に下流へ向かって1キロほど走ってもK氏は見つからない。
 
 
時刻は6時半・・・
 
 
 
辺りは既に暗くなりはじめ、ゴリラの脳裏に「遭難」の文字が浮かびあがる。

念のため再度上流へ車を走らせるも、K氏はいない。

強烈なメッセージ

「これで下流に向かっていって気配がなかったら警察に連絡しよう・・・」

そう考えながら3キロほど林道を下って行ったところで・・・
 
 
 
渓流釣りで遭難しそうになった時のメッセージ
(同じ場所で再現)

!!!

来た時はこんなところにペットボトルなんかなかった!
そうか!この先にK氏はいる!

そこから1キロ程度いったところで、林道をトボトボと歩くK氏を発見することができた。
K氏も不安ながらに、「とりあえず下っておけば何とかなるだろう」と動いていたようだ。
時刻は既に7時過ぎとなっていた。

無事でよかった・・・!

困った時にこうゆうメッセージ、すごい重要!

ここまでシリアスっぽく書いてきたけど、もうね、お互い泣きそうだった!
無事だったからいいけど、「転んで動けなくなったかな…?」とか「熊に襲われたかな…?」とか、いろいろ不安になってたとこでこのメッセージだからね。

まぁ、今となっては笑いの種。
ちなみに、この日、小学校の時から使ってた思い出の竿を折ってしまった。

このブログを読んでいる方がもし同じような状況になったら(普通はならんけど)、
道路の真ん中にペットボトルを置く
ことを強くおすすめします!

んなことより、きちんと準備と対策しろって話だけども。